2011/ 1/14
なんと、ブッチン、キレてしまった。潰れそうな想いの時は、助けがやって来る。 注文していた「円卓の騎士」と「エクスカリバー」のDVDが届いた。夜には、A君がチャンネルを変えたら、ちょうどコーンウォールの旅番組をやっていた。港町の漁師のおじさんの腕には、エクスカリバーの入れ墨が刻まれていたよ。
2011/ 1/15
昨夜は遅くまでエクスカリバーを観た。ちょっと前にテレビで見たばかりの風景がそこにはあった。「何でまたこうなる!」と頭を抱える時には、アーサー王の物語に触れれば良いのだ。 そこにはたくさんの、理不尽な苦しみがあって、私の心を慰めてくれる。今、会いに行くのではなく。 責める心を諌める事の方がずっと大切だ。お母さん。 私は貴女の事を理解したいんだ。
2011/ 1/18
17日未明に呼び出され、それから二泊。 今朝も素晴らしい朝焼けだ。西には丹沢が、目の前には江の島が見える。保育園の遠足で従弟と訪れた江の島。 高校の時にはさぼりに行った江の島。 社内旅行で泊まった江の島。 私の記録がこの景色にはある。おばや従弟の事が大好きで楽しかった頃の記憶が戻ってくる。そして。何よりも、誰よりも。 母の事が大好きだったあの頃だ。
2011/ 1/19
危篤の知らせを受けてから、三回目の朝だ。すべてを燃やし尽くしてから、向こうへ行くんだね。私もそうだよ。 燃やすもんが多いから、大変だよ。お母さん。 ほ~んと貴女は、相棒だったんだなって思うよ。
2011/ 1/20
1月19日、午前9時、母永眠 。享年77才。最後に、三回の朝日を一緒に見せてくれた母。トートタロットの『Emperor』が何たるかを、生涯かけて教えてくれた。Emperorは、朝日だ。 朝日の前には、深く、暗い、長い夜がある。Emperorは、始まりのカードだ。私もずっと柩の中に居たが、いよいよ歩き出す時がやって来た。これからが本当の始まりだ。お母さん。 寂しくないよ。大丈夫。貴女は私の中で輝いている。いつまでも!
2013/ 5/ 5
母が亡くなった朝は、亡骸を託したあとで、病院のある辻堂から江ノ島まで出て、しばらく海を眺めてから、上大岡まで車に乗せてもらった。いろんな思いがこみあげて、助手席で鼻水垂らしながらぐしゃぐしゃ泣いた。どうしようもなく泣いたのは、その時だけだ。
亡くなった後は、余り泣かなかった。いろんなことをやらなければならなかったし、問題も噴き出してきた。SOSのサインを出しても、結局はひとりで乗り越えなければならなかった。そうしてますます神奈川に足を運べなくなった。肌に合わないだとか、あれこれ言い訳しているけれど、私を育ててくれた土地だ。合わないはずがない。
この次帰る時は、きっと、情けない私をさらけ出して、泣きながら、叫びながら、故郷にかえろう。