2023.12.21
やはりというか、とうとうというか、地獄の釜の蓋が開いた。
ジェンダー論のメディア授業を視聴して本当に良かったと思う。と同時に、『パパのココロ』が、当時の育児雑誌に載っていたり、漫画から抜粋したものが今でも東京都の育児男女共同参画冊子に載っているのはマズイよなと思うようになった。あれは、頭のぶっ飛んだぐーたら新米母(妻)が育児も家事もせずに終始ゴロゴロしている漫画なのではなくて、家父長制度に潰され、嫁という異分子として弾かれ(ひとりぼっちになり)、小さい娘との大事な出来事(数々の初めての〜)を奪われ、頻繁に起こる日々の問題のなかで苦しんで、友人や実家からも理解されず、訴えても夫は解決してくれず、ついには産後うつ+不眠で壊れてしまった若い母を(のことも)描いた漫画なのである。ただし、夫が漫画家としてやっていけるどうかの大事な局面だったので、面白話に変えてキャラクターもデフォルメして、自ら「イカポちゃん」として生まれ変わらせたのです。そういう意味では自分で自分を葬ってしまったのだ。私は被害者でもあるし、加害者でもある。
あの頃の私を思い出す時、やれやれ本当にかわいそうだったなと思うくらいだったのだけど、先日、運動先で出会った同世代のSさんに話したら、無印カフェで号泣されてしまったので、やっぱりやばいことだったんだなーと思い直しています。勉強して、ちゃんと整理できるまでは、絶対に許さないし、絶対に絶対に忘れない。じゃないと、これからの女の子も同じような思いをするよ。
2023.12.18
【ある日のメモ】どんな目に遭っていたのか、どのような環境に置かれていたのか、正確に語れる言葉を持たなければ、無いに等しい(他人から見ても、自分の中でも)。そのためにも勉強が必要。女性たちには高度な学習が必要。
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今年度は実験実習に魂を吸い取られたのでジェンダー論は諦めようと思っていた。メディア代25000円は捨てて、次年度に受け直せばいいよねって。でもさ、私は自分の性格をよーくわかってる。諦めたものにチャレンジするほど強い心を持ち合わせてない。というわけで、先週からせっせと視聴している。全21コマ。きびしーい!
講義してくださる先生は女性学専攻なのだが、内容はグサグサ刺さることばかりである。しかも、レポートを書くにあたって自分のジェンダー意識&役割について遡って客観的に振り返らなければならない。つらい。まとめて書くと発狂すると思うので、メモとしてちょこちょこと記しておく。意味不明のところ文章が変なところが多々あると思うけれど、レポートに備えてのメモ書きです。すんません。
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顛末から記すと、小学3年〜短大1年まで横浜市の市営団地で育ったのだが、その時期に母は心的に不調をきたし、私は日常的に彼女によって、(心身共に)虐待されていた。その頃からいまに至るまで、常にあたま(心)のどこかで「なぜこんなことになったのか」と考え続けている。というのも、私に似たケースが周りでは見つからず、原因がよくわからなかったからだ。当時のその団地は生活に困窮した人が多く住み、団地内ではDVは日常茶飯事のことで、果ては殺人なども起こる地域だったのだが、彼らの場合は共通する要素が見受けられてわかりやすかったのだ。ところがウチの場合は、例えるなら本音と建前のようなねじれが無数にあって、うまく紐解けないまま今に至るわけなのです。
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母方の祖父→福島県の教育者。熱心な先生で晩年は小さな町の教育長を長く勤める。若い頃は非常に保守的で、弁が立つ妻(祖母)のことを好ましく思っていなかった。当時、娘たち(母やおば)には「女性に高い教育は必要ない。高い教育を受けさせてもろくなことはない」と語っていた。80代で亡くなる。
母方の祖母→武家の娘で成績は優秀、論理的な思考の持ち主だったが、女学校までしか行かせてもらえなかった。見合い結婚した夫(祖父)が単身赴任で不在だった頃は、自宅は地域の男性たちと政策を語り合う場になっていて、晩年は選挙カーの上で応援演説などもした。地域の(農家の)女性とはまったく話が合わなかった。日頃から近所に住む親戚から暴力を受けていた。51才で亡くなる。
母→きつい性格の母親(祖母)に反発していた。姉妹弟が見合い結婚するなか、ひとりだけ上京して学校に行き仕事を持つ。恋愛結婚。出産直後に夫(父)の論文書きの手伝いをしていた。博士論文が書きあがった後、夫は交際相手の女性のもとに走った(そのまま別居)。同時期に福島の母(祖母)が亡くなったこともあり、その時代のことは思い出したくないほど傷ついていた。別居後20年ほど離婚はしなかったが、夫(父)から離婚訴訟を起こされる。夫は敗訴。仕事を持っていたためワンオペで娘(私)を育てる。「女性は高い教育を受けるべき。できれば国家資格をとるべき」という強い信念を持つ一方、「夫の実家とうまくやりながら、かわいい妻でいないと夫婦仲が悪くなる」という相反する思いを持っていた。
父→家業を継ぐため実父の弟夫婦のもとに養子に出される。3人の男兄弟の末子だったが高知県の漁港の町で一人っ子として甘やかされて育つ。職業を決められていたため、愛媛〜広島〜名古屋と大学を転々。名古屋時代に娘(私)が生まれる。
(いったん途中でおわり)
2023.12.10
「焼肉食べに行こう」とのラズウェルの申し出にOKして、金曜日に上の娘と一緒に出掛けて行った。数年前、浅草の神谷バーとスタバで、泥酔したラズウェルにいやな感じでめちゃくちゃ絡まれたのを根に持っていて、「一生許さん!」と心に決めてからは極力一緒に出掛けたりしなかったのだが、娘たちが心配してるし、当の本人は覚えてないっぽいし、何より焼肉に釣られてしまった。食いしん坊の性。
焼肉するのであれば、ラズウェルの自伝本も事前に読んどかなきゃと、先日もらった本をようやく手にしたのであった。このラズウェル本は、インタビュー形式の鼎談になっているのだが、聞き手のお二人の引き出しかたとお話の回し方で、奥行きのある素晴らしい一冊となっている。年表あり、大学時代の漫画あり、パパコロありで、盛りだくさん。読みながら「そういえばこういうこともあったな」とか思い出したりして、新たにムカッともしたけれど、いまや、亡くなった父母のことや双方の親戚のこと、昔の友人のこと、小さい頃の話も、ぜーんぶ知っているのはラズウェル君しかいないんだよね。家族って、いやなところやムカムカするところを含めて、お互いの人生をたくさん抱えていることなのかもなあとふと思った。