タロットに出会ってからまだたったの10年足らずなのですが、私の人生の中に雷のように飛び込んできて、私の人生を根こそぎ変えようとしています。タロットは生き物なんだなあと日々思うのですが、実際にタロットと密に関わる時間は少なく、24時間心身の中心に置きたいと願いつつ、実際はぼーっとしていることが多いです。
寝て起きてまた寝る間に、私は洗濯して、ざっくりとしたごはんを作って、部屋を片付けて、ゴミを捨て、時には家の中のあちこちにガタがきて管理会社に連絡します。日々の買い物して、息子の行事に合わせて大きな買い物に出かけて、たまにはお弁当のことを考えている。こんなことだらけの毎日で時間の無さに絶望することがあります。そもそもあまりこなせない私がそれなりに人生のスケジュールを埋めた後に、タロットはやってきたのです。これはすごく素晴らしいことだし、すごく絶望的なことです。
生きることは相克の連続で、お料理を作ってる間にも洗い物はどんどん生み出されて行く。食べ終わる頃にはシンクの中はいっぱい。要領よくこなしていくと手はガサガサ。それがつらくて食洗機を買ったのですが、神の道具はシンクの4/5を占めているので、残りのスペースを使って小さなまな板の上でちょこちょこ切っている。時折周りの同世代の女性を見渡してみて、その違いに愕然とすることがあります。賢い彼女たちは余裕のある暮らし。綺麗なマンションや一戸建てを持ち、老後のことまでちゃんと見据えている。一方私ときたら、3年先のことはもうわかりません。
そんな私が営んでいるNuitは、とても小さい空間だけれどとても愛らしい場所です。白鳥が一所懸命水掻きしているように、蓮の花が泥水から咲くように、私はタロットとNuitを守るために日々ジタバタしています。私の暮らしも、あなたの暮らしも、ジタバタしながらもきっと明るい方へ向かうように、私はいつも祈っています。