2014/9/17
母と二人で横浜に降り立った日のことはよーく覚えてる。名古屋から新幹線や電車を乗り継いだ。新幹線はたしかどこかで降りて、東海道線に乗った。きっと小田原だと思うんだ。
東海道線の灯りは電球の光で、古い木の電車だった気がするな。母はとても静かだった。私は電車の灯りをずっと眺めていたよ。
保土ヶ谷駅から市営バス25番に乗って、花見台で降りたんだ。あたりはもう真っ暗だった。花見台は保土ヶ谷公園のバス停だから、降りた時に、もわっと植物の香りがしたの。あそこは県の植物園でしょう?
そこから20分くらい歩いて、仏向町の長屋の、奥から二番目の家に辿り着いたんだ。四畳半と小さな台所と小さな縁側。この時代が人生で一番幸せだったんだよ。私の庭は保土ヶ谷公園で、花と木と虫と鳥が友達でした。
その頃のことはそのうちいっぱい書きます。