2023.10.29
ぼんやりしていたらひと月くらい経っていた。実験実習2-4, 日常記憶のレポートは合格していた。図表、記述共に、お褒めの言葉が添えられていて、安堵と喜びで毎日ゴロゴロしてしまった。すぐ怠けるよね。
ところで今日は、数年ぶりにあの地へ行ってみた。私が何度もつっかえるあの場所である。いつに戻ればやり直せるのかと考えた時に真っ先に思い出すあの時代である。きっとジタバタしている女の子がいるに違いないと思い立ち、お天気も良いことだし、迎えに行ってきた。不思議なもので、いざ現地に立ってみると、拍子抜けするくらい穏やかなのである。昭和40年代に横浜の果ての山を削ったニュータウン。周りは田んぼだらけだった。疲れた顔をした人たちが何千人も住んでいて、毎月のようにどこかで悲惨な事件が起こっていた。あの殺伐とした雰囲気は、土の中、木々の中に吸い込まれてしまったのだろうか。それとも、あの場所全体が歳をとって、呆けてしまったのかもしれないな。
八王子経由で家に帰ると、郵便ポストには高知の弁護士さんからの封書が入っていた。父の同級生だった方だ。「お父さんの遺言書どおり高知の墓守りをしてあげてほしい」とのこと。私の小さい頃はあの手この手でさんざ私と母を追い詰めといて、亡くなる間際には交通費どころかお金を1円も遺さずに、「今後絶やさず墓守をしていってほしい」とはどういうこっちゃ。そもそもお墓は子供の頃にしか行ったことがないので場所の記憶もおぼろげなのに、まったくまったく。ヤングケアラーだったゆかちゃん、長い間ほんとうにお疲れ様でした。今はもう絶対的に私が守るから、安心して毎晩おやすみね。