吉祥寺にサロンを構えて6年目になります。時々お客様に「なぜ吉祥寺を選んだのですか?」と聞かれるのですが、実は偶然なのでいつもモゴモゴしてしまう。望んでいた渋谷の物件が流れて、途方に暮れていた時にちょうど手頃な物件を見つけた、しかも自宅から近かった、という行き当たりばったりなのです。今になって考えると、吉祥寺以外のどこがあったのだろう?と思うんだけど、まあ縁なんてそんなものだよね。
私が初めて吉祥寺を訪れたのは二十歳の時でした。井の頭線のドン詰まりに鬱蒼とした土地があるなあという印象で、訪れるのは大概夕方だったのもあるけれど、当時の吉祥寺は本当に暗かったのだ。闇市の名残の駅前市場には、たまご屋さん(たまごだけを台にずらっと並べて売っている)があったり、高い棚に乗せた小さなテレビで野球中継を流す定食屋さんとか。反対側の井の頭公園なんてさらに薄暗くって、夜は女の子一人では行けないくらいだった。
吉祥寺はライブハウスや飲食店、ジャズ喫茶も多かったから、いろんな文化が生まれたらしい。らしいと書いたのはよくわかんないからだ。とにかく、キッチュだったり、ちょっとダサかったり、ぼんやりとした温かみがあるお店が多かったかもしれない。それに、一人前になるまで育んでくれる懐の深さと隙間もあるかな。と、突然話は飛びますが、吉祥寺のパルコ地下に新しく(ミニシアターが五つもある)映画館が出来るんですって。目標額が2500万円のクラウドファンディングだそうです。〆切は10/31ですので、皆さん応援しましょう。支援した際の素敵な特典も支援額に応じて色々ありますよ!(ちなみに私は珈琲フリークなので、1年間ソフトドリンクサービスのものにしました)
またまた話は飛びますが、吉祥寺は音楽をやってる人が多いようです。私の周りだけでも数人のママ友が音楽家だし、大好きなECDの実家は隣のバス停だし、今更知ったのだけど、或るミュージシャン(T田Rさん)もママ友の夫だった。この街の何が音楽家を引き寄せるのかなあと思うのだけど、その歴史と理由はかつての本や雑誌を探せばきっとわかるんだろうな。
まあそんな感じで、吉祥寺らしくぼんやりした紹介になってしまいましたが、とても愛らしい街なのです。皆さま、どうぞ遊びに来てくださいね。